『我が家のおバカで愛しいアニキ』は洞察いらずで楽しめる映画

正確なセリフは忘れたが、アニキの言っていた「こちらが先に信頼すれば相手も警戒を解く」というような言葉。
私のよどみきった心にはピュアすぎる。

いつからか、私はまず人を疑うことがコミュニケーションの基本になっていた。
相手の表情や仕草を見て、どういう感情か、発言の真意はなにか探って判断する。
状況に合わせてこちらの言動や話し方を変えていく。

そんなだから腹を割って話せる友人がいないんだとも思うが、人を信頼することは恐怖だと思ってしまう。

昔、『フルーツバスケット』の透が「人を疑うことは誰にでもできる。だから透は信じてあげな」的なことを母親に言われて体現していたのを読んで、私も無条件に人を信じてみようとしたことがある。
しかし干支の動物に変身してしまう人たちに出会うこともないし、しょせんは真似事なので長く続かない。
あまつさえ人は嘘をつくし裏切るし、疑う方がしっくりくる、という考えに落ち着くようになった。

原題は‟Our Idiot Brother”

ポール・ラッド演じるおバカなお兄ちゃんネッドが無職宿無しになり、それぞれ家庭や仕事をもつ3人の妹たちの生活の調和を乱すが、最終的にはピュアなお兄ちゃんがみんなに愛されて万事良好というストーリー。

単純に楽しめたが、深い作りこみはない。
500日のサマー』に出ていたゾーイ・デシャネルがかわいい。
というか3姉妹がかわいい。

アニキはピュアだし、家族は結局みんなやさしいし、元カノの彼氏ビリーもいいやつ。
嫌なやつや家族たちの嫌な性格も出てくるが、しつこく描写されないので良心が目立つ。

こんな世界ありえないよねと思ってしまう自分が悲しいが、こんな感想をもたせないほど突き抜けた非現実的なハッピー感は欲しかった。
人を信じてみようかなと思わせるほどのものが。

ネッドは超正直ものの天然男。いい人過ぎて、友人の警官に大麻を譲ってあげたら逮捕されてしまった彼は、彼女にもフラレ、居場所を失う。彼の3人の妹たちは、めんどうな兄を煙たがり、なかなか引き取ろうとしない。(c) 2011 big beach, llc all rights reserved
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