『恋人はゴースト』を観て『ナポレオン・ダイナマイト』を恋い焦がれる

ゴーストな恋人を憧れたことはあるだろうか。私は頻繁に妄想していた。『恋人はゴースト』はそんな気持ちを思い出させる。と同時に『ナポレオン・ダイナマイト』を恋しくさせる、そんな映画だ。

思春期のころ、あまりにモテなさ過ぎて幽霊とのロマンスを妄想していた。

私の部屋に地縛霊が住んでいて、友好的で私だけに見えるし触れることもできる。
成仏なんて野暮なことはさせず、一生を共にして終えてもいいと思うほど幸せな日々を送る。

もしこれが小説や映画の話であれば、感動を誘うために泣く泣く別れ、私は前を向いて新しい暮らしを始めなければいけない。
でも現実なんだからオチを気にすることはない。
甘い逢瀬を心ゆくまで楽しめばいい。

実際はこんなごちゃごちゃしたことは考えずに、人でも幽霊でもいいからいちゃいちゃしたいなあと考えていた。
あと特に根拠はないが、幽霊は人より一途に愛してくれるんじゃないかなと勝手な理想を抱いていた。

映画の話

そんな誰もが必ずするような妄想を映像にした作品の一つが『恋人はゴースト』だ。
原題は“Just Like Heaven”
あーはん?

彼は彼女が幽霊だと確信する。彼女は自分がまだ生きていると確信する。2人がエリザベスの過去の真実を探すうちに、二人の関係は反感からロマンスへと変わっていく。

妻を亡くした悲しみで鬱々としているデヴィッドには私がしていたような破廉恥な願望はないし、デヴィッドが住む部屋に現れる幽霊のエリザベスも実は幽霊ではない。

もうほとんどネタバレになるが、物語はアメリカらしいシンプルなストーリー展開で白雪姫的なハッピーエンドを迎える。
心が疲れているときにぼーっと観るにはうってつけの映画だ。

幽霊の話

思春期の私がしていた妄想に話を戻すが、日本の幽霊は美しく描かれたものが多くないだろうか。
ただし女の幽霊に限る。

死装束はもはや白無垢、妖艶に垂れた長い髪、伏し目がちにしてつつましい佇まい。
魅力的にうつるのもしかたない。

幽霊だけでなく、伝承されてきた妖怪にも目を向けると妄想が止まらない。
雪女にろくろ首、雨女など、たくさんいる。

一方で海外に目を向けると、ヴァンパイアや狼男、ミイラ男、フランケンシュタインなど男の妖怪?も多い。
しかしヴァンパイアには女もいるし、魔女やメデューサ、サキュバスのようなけしからんものまでいる。

でもやはり日本の幽霊や妖怪に惹かれてしまうのは、私が日本で生まれ、日本で育ち、『地獄先生ぬ~べ~』を愛読書として嗜んでいた結果だろう。

大幅に脱線したが、『恋人はゴースト』では、ダリルという霊感をもった男子が登場する。
演じるジョン・ヘダーが『ナポレオン・ダイナマイト』の活かしたアイツだと気づくには1秒もいらなかった。

映画の最後、脱力系のダリルが“gracious”とつぶやく。
この映画は『ナポレオン・ダイナマイト』を観させるための映画なんだなと気づいた。

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