【オススメ】『まったく同じ3人の他人』 知りたがりな愚か者たち

もし離れて暮らす兄弟がいると知ったら?『まったく同じ3人の他人』には赤ん坊の時に生き別れた三つ子の天国と地獄が収められている。私はこみ上げてくる怒りを抑えながら、ただ同情するしかなかった。

遺伝か環境か。

このあいだテレビで、「様々な性格は遺伝する」ということを取り上げる番組を観た。
詳しく覚えていないが、「不倫の遺伝子は存在する」ということだけなぜか記憶している。
石田純一が例として挙げられていたが、私は終始首をかしげていた。

性格は遺伝しないと思う。
統計と遺伝子を関連付けるのは浅はかすぎやしないか。

不倫経験のある人が特定の遺伝子をもつ割合は高いかもしれない。
でも遺伝子をもつ人全員が不倫をしたことがあるのかどうか。

調べてみると、このベクトルでの調査結果はまだない。

どのような環境で生まれ育ったか、周囲にどのような人がいたか、何を経験してきたか、という積み重ねは遺伝に勝ると思う。

映画の話

原題は“Three Identical Strangers”。
アメリカのドキュメンタリー映画だ。

別々の家族のもとへ養子となり、他人として育った三つ子が、偶然にも再開を果たす。彼らの驚愕すべくも、感動的なストーリーが瞬く間に世界中で話題となり、名声を得るが おとぎ話のような再会には想像もつかないような秘密が隠されていた。

三つ子のデヴィッド、エドワード、ボビーは、それぞれ別の家庭へ養子に出され、他の兄弟の存在を知らないまま育つ。
しかし様々な偶然が重なり、3人は再会を果たす。

離ればなれで生活していたにもかかわらず、性格や趣味嗜好、言動が酷似しているという。

センセーショナルな再会は大きくメディアで取り上げられ、三つ子は一躍時の人となる。
世間からもてはやされ、一見順風満帆な日々をおくる3人。
しかし、徐々に様々なひずみや陰謀が浮き彫りになってくる。

人の面をした悪魔たち

詳細は映画を観てほしいのだが、観進めると、胸糞な野郎どもへの怒りが蓄積されていくことになる。

なぜ笑っていられるのか。
なぜ正当化できるのか。
後悔や罪悪感はないのか。

「もし離れて暮らす双子が自分にいると知ったら?」
映画のなかで視聴者に問われる命題だ。

私は深い人付き合いを面倒とする性格で、親せきが増えるとなると辟易してしまう。
生まれたときから知っていれば、それは違うかもしれない。

すでに大きく育った他人を、いきなり兄弟だと受け入れるのは難しい。
それが顔かたちがそっくりな双子であっても、もはや存在を知らないままでいいとさえ思ってしまう。
映画の三つ子のような悲劇が待っているのであればなおさら。

▼U-NEXTでも観れます▼
Scroll Up