【オススメ】『ラースと、その彼女』 結局優しさが一番の薬になる

ラブドールに恋したことはないが、ぬいぐるみや動物が人に化けて私と甘いひと時を過ごしてくれる妄想は日常的にしていた。『ラースと、その彼女』の世界はやさしさで溢れている。現実に、もし私がラブドールとデートしようものなら、SNSでバズることは間違いない。

どこかで書いたが、私はあまりにモテなさ過ぎて、ぬいぐるみや動物が突然人の姿になり、私を恋い慕うという妄想を嗜んでいた時期がある。
さすがに今はしていないが、心のうちに秘めたロマンはある。

男の場合、今やオリエント工業という素晴らしい会社があり、ロマンチストは夢をあきらめずに済むことができる。
ラブドールを自分の意のままに愛することについては賛否両論あるだろうが、『四畳半神話大系』の城ケ崎氏のような極度の潔癖症にとっては、神からの授かりものに近しい存在になろう。

といいつつも、人同士の恋愛が一般的とされている現代社会で、人形に本気で恋することはとても勇気のいる行為だ。

映画の話

原題は“Lars and the Real Girl”。
この“Real Girl”はどのような訳でとらえればいいのだろう。
映画に登場する人にとって、次第に「実在する女の子」になっていくという意味だろうか。

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曖昧さを残すには、この訳は的確なんだろうと思う。

映画では、一見ごく普通に見える青年ラースが、ある日突然ラブドールを自分の彼女ビアンカとして接するようになってしまう。
周囲の人たちは狼狽するが、ラースの人当たりの良さなどから、話を合わせて助けになろうと協力する。

ちなみにラースを演じたのは、『ラ・ラ・ランド』のセブを演じたライアン・ゴズリングだ。
ラ・ラ・ランド』は途中で寝てしまったせいか、ラースの方が個人的には好ましい。

なんやかんやあって、ビアンカは死んだことになってラースのもとを離れることになるが、それはラースの世界だけに起きたことではない。

いつの間にか周りの人たちが、ラースと同じように人として扱い、2人を見守る。
ところどころ揶揄するような人はいるものの、メインで登場することはない。
みんなの優しさがラースを癒し、映画を観ている人にも共有される。

現実の話

でも現実はそうはいかないんだろうなと思う。

知り合いにラブドールと一緒に暮らしているという人がいれば、真っ先に性的なことを連想するし、やはり人と同等には扱えない。

もし未来に精巧な作りをしたアンドロイドが現れたとしても、そこから性的なイメージを取りのぞくには、かなりの時間が必要なんじゃないかと思う。

対等になるには、それが人形であってもロボットであっても、人であっても、「自由意志」が必要になってくる。
そうなるとPS4の名作『デトロイト ビカム ヒューマン』的な話になってくるのだが、アンドロイドに人権を認めるほど、人間が寛大になれるのか懐疑的だ。

ましてや今回の話で言うと、ラブドール。
「ラブドールに人権を」と叫べば狂人扱いされることは必至だろう。
という考えに至ってしまうのは、私の思考が凝り固まっていて、また別の見方もあるのかもしれない。

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