【オススメ】『英国王のスピーチ』 虚しい格式と権威

『英国王のスピーチ』はイギリス国王ジョージ6世の実話に基づいた映画だ。吃音に悩み、メンターの友に出会い克服し、祝福を受けて誇る。ジョージ6世の成長は達成感があるが、非常に虚しく滑稽に見えてしまう。

昔ながらの風習を「情緒があり守っていくべき伝統」ととらえる人と、「今は今のやり方に合わせるべき」とする人がいると思う。
私は後者を好む。

イギリス王室では、女王への礼儀作法やドレスコードなど、未だ数多くのしきたりが守られているという。

王室以外でも、テニスのウィンブルドンでは選手のウェアを白とする規則が有名だ。
ほかにもアフタヌーンティーでのドレスコードなど、私の知らないところで様々なルールに縛られた様式があるのだろう。

この英国の格調高さ。いけすかない。

映画の話

英国王のスピーチ』の舞台は第二次大戦前のイギリス。
実際に吃音に悩まされていたイギリス国王ジョージ6世をとりまく物語だ。

ジョージ6世は、王になどなりたくなかった。彼には吃音という悩みがあった。数々のスピーチの公務に、どう対処すればいいのか?心配した妻のエリザベスは、スピーチ矯正の専門家、ライオネルの診療所に自ら足を運ぶ・・・(C)2010 See-Saw Films. All rights reserved.

吃音に悩まされていたアルバート王子ことバーティが、オーストラリア出身の言語聴覚士であるライオネルと出会うことで、吃音だけでなく心も変化していく。

父親のジョージ5世が崩御し、兄エドワード8世が色恋沙汰で継承後すぐに退位してしまうことで、バーティがジョージ6世として王位を継承することになる。
ライオネルや妻であるエリザベス妃の助けを得ながら、バーティは吃音を克服し、国王としてのスピーチを成功させる。

劇中でバーティが言うように「王に権威はない」のに、国民を左右する言葉を代表として「伝達」する役割を課せられる。
苦しみに耐えながら、パペットさながら懸命に伝えようとするバーティは滑稽だ。
そしてスピーチが成功に終わり、側近たちの賛辞を受けて誇らしくする姿はとても哀れに見える。

格式にこだわったイギリスの心を、国王となったバーティが象徴する。

バーティとライオネルの掛け合いは微笑ましく、バーティの心境の変化を思うと拍手を浴びせたくもなるのだが、私は途中から眉間にしわをよせて鑑賞していた。
戦争への嫌悪もあるのかもしれない。

こびりつくイメージ

バーティの妻であるエリザベス妃を演じたヘレナ・ボナム=カーターの悪役なイメージが頭から離れない。

スウィーニー・トッド』や『レ・ミゼラブル』、ハリポタシリーズでのネガティブな訳の印象が強すぎて、バーティへの献身もなにか裏があるのではと勘繰りそうになってしまった。
役者のインパクトはメリットデメリット両方あると思うが、今回のキャスティングは不正解な気がする。

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