シソンヌ『別れ』は私的最高傑作のコント

シソンヌのネタで一番好きな『別れ』がYoutubeにアップされている。 このネタはDVDの販促用として全部あげなくていいのでは?とも思ったのだが、そんなせこい商魂はないのかもしれない。

シソンヌのネタで一番好きな『別れ』がYoutubeにアップされている。
このネタはDVDの販促用として全部あげなくていいのでは?とも思ったのだが、そんなせこい商魂はないのかもしれない。

「別れ」 – シソンヌライブ [deux]

話は、喪主とそのいとこのたっちゃんが、早逝してしまった喪主の妹「カスミ」の葬式で挨拶するというもの。

以下ネタバレ

明らかに場違いなハイテンションで挨拶をはじめる喪主に対して、最初はたっちゃんも制止するが、兄なりの「カスミ」への配慮と察する。
その配慮の加減が絶妙で、笑えるのに悲しい。

途中、パスを受けたたっちゃんが葬式らしいテンションで話しだすと、兄の虚勢は剥がれる。
見かねてテンションをあげるたっちゃん。
そのまま漫才のようなやり取りを進め、しめくくる。

最後のセリフ、たっちゃんの「ありがとうございました」は、こみ上げた感情を押し殺せなかった声色になっている。
この演技にやられてコントで初めて笑いながら涙した。

笑顔で送り出されたい

葬式と言えば、みんな泣きながらしんみり故人を送り出すイメージ。
でも生前には、このコントのように明るく送り出されたいと思う人も多いのではないか。

かくいう私は通夜も葬式もしてほしくない。
そこにあてるお金と時間を、残される人の自由にしてほしい。

もちろん、なにか催すことで気が晴れるなら好きにすればいい。
しかしそうでなければなにもせず、たまに思い出してくれればいい。
いや、別に思い出さなくてもいい。
死んだ私はなにも感じることができないのだから。

兄貴は生きていけるのか

DVDには、このコントの続きが収録されている。

その場ではたっちゃんの支えを受けながら生きていく兄が想像できるが、ちらっと悪い未来も考えてしまう。

たっちゃんはいつもそばにいるわけじゃない。
戸建ての一軒家にひとり。
兄は、妹を失った悲しみにのみこまれてしまうんじゃないか。

シソンヌが作るのはもはやコントじゃなくて戯曲、演劇だ。
そこは分けなくていいのかもしれないが、台本の時点でキャラクターに深みがありすぎて。

じろうは近いうちに小説や映画でもやるんじゃないかと思ってググってみたら、昔書いた小説が今年映画になるのね。
予告だけ観ると、特に惹かれない。

まあそれはさておいて、じろうのセンスがあれば、私のコラムや小説もこんな辛気臭くならずに済むのに。
どうしたものか。

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