8月31日の夜に一覧

オリジナル小説『8月31日の夜に』③

喫茶店に手ぶらで行ったぼくは、本を手に持ったまま家路につくしかなかった。A子の持っていた袋をなぜかぼくは断り、しかし自転車のカゴにそのまま入れれば傷みそうだったので、結局手でもって帰ってきたのだ。本を持ちながらハンドルを操作することで、家に着くときには、にじんだ汗と不要な力みがカバーをふやけへたらせていた。

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